suzume blog

Pythonを勉強中です。日々雑多なことを書いています。

「ザ・ヴィレッジズ」と「ノマドランド」のはざまで

「ザ・ヴィレッジズ」はフロリダにある高齢者コミュニティー

その存在を知ったのは先月のあるドキュメンタリーの番組。

そしてその少し前にたまたまテレビで放送していた

ノマドランド」を観た。

両方とも高齢者が主役なのだが、全く正反対なのである。

「ザ・ヴィレッジズ」はお金持ちの高齢者が最期の時まで

娯楽や社交など人生をひたすら楽しむ事だけを目的に作られた

コミュニティという名の人工的な街・・・

完璧に作られた老人専用のテーマパークのように感じた。

 

そして一方「ノマドランド」は有名な映画なので説明も不要

とは思うが、主役は富裕層と真逆の自宅を持たず一人車上生活を

しながらアマゾンなどの倉庫作業で年末ギリギリまで日雇労働者

として働きながら生きる高齢者の女性の話。

彼女には姉妹もおり、好意を寄せてくれる男性もいて、彼らから

それぞれの自宅で生活するよう提案してもらうも断ってしまう。

彼女なりの価値観や信念で「ノマド」生活を選択しているのである。

 

方やドキュメンタリーで、方や社会派映画作品。

正反対の価値観を持ちながらも、彼らは自分でその生き方を選択

しているのは同じである。

そして何よりも大切なのは、どちらもそれぞれの選択に満足

しているという事。

番組や映画を作った人の趣旨は知らないが、自分は

「最期をどのように締めくくるのか」という事が主題となっている

と感じた。

社会とか貧困とかそういう問題を超越した「最期の時間の過ごし方」

がそれぞれの価値観で描かれていて、まだ最期の過ごし方を考える

のには少し早い自分ではあるが、それでも色々考えさせられた。

どちらが正解という事もなく、恐らく現在の日本ではそこまで

極端な選択を迫られる事はないのかもしれないが、

でも、「ザ・ヴィレッジズ」を選択するにはお金が必要、

一方「ノマドランド」の生き方を選択するには働く力や

心身ともに健康であることが必要であるのは自明の理。

将来、自分がどちらの生き方を選択するにせよ、

少なくともその「選択権」をその時の自分が持っているためにも

今から出来ることは、少しづつでも貯金をし、

健康を害さないよう心掛けながら働いていく事・・・

つまりは今の生活を堅実に続けていく事なのかもしれないな、

と思うのである。