suzume blog

Pythonを勉強中です。日々雑多なことを書いています。

無言のドッジボール

通勤電車での出来事。

早朝なので空いておりほとんどの人が座れていた。

音楽を聴きながら本を読んでいたら、

どこからかカラカラという音を立ててペットボトルの

空き容器が転がってきた。

人が少ないのもあってか車両の中を縦横無尽に

転がっている。

特に危険物でもなく汚い容器でも無かったので

みなあまり気にせずに、容器が転がってきたら

そっと足を上げたりずらしたりして容器が転がるまま自由に

させていた。

 

遠くからその光景を見て、なんとなくドッジボール

思い出した。

そしてまた音楽と本の世界に入っていった。

 

ふと、足元に何かの軽い衝撃を感じた。

感覚で分かったのであるが、間違いなくあの容器が自分の

足元で止まっていた。

ふと向かいの席を見ると数人が自分の足元を見ている。

彼らの顔には

「あーあ、避け損ねたね」

なんて言葉が浮かんでいるように感じた。

 

慌てて足をどかしたところ、

またカラカラと軽妙な音を立てて容器は転がっていった。

 

少しして違和感を感じた。

容器の軽妙な音が聞こえてこないのだ。

どこかでハマりこんでしまったのか。

それとなしに先ほど転がっていった方を眺めていると

ある男性の足元で真っすぐ立てておかれていた。

現場の状況から想像するに、恐らく彼はその容器の

自由な転がりに気が付いていたのであろう。

そしてみなが足をあげたり身体をずらすなどをして

容器の転がるのを妨げずにいる事に

疑問を感じたのであろう。

自分は何となくドッジボールの感覚で容器の動きを

見ていたが、

そもそも容器の動きを止める方が正解であったし

大人の対応である。

 

容器を立ててくれた彼に感謝しつつ、自分含めて

朝の通勤電車で少しだけ遊び心を感じていたのは

自分だけではなかったのではなか、なんて事を

ほんのり考えるのである。