長い間服を買っているお店からフェアのお知らせのハガキが届いた。
そのお店は珍しく毎回手書きの文章で案内を送ってくれる。
おまけに綺麗な切手も貼ってくれている。
以前からそうなのでなんとなく当たり前になっていたが、
それを見た家族が「今の時代に手書きなんて・・」
と驚いていた。
確かに今の時代、ほとんどのDMは印刷された文書で送られてくる。
この前は選挙の時期に候補者の名刺がポストに入っており
珍しく手書きで挨拶文が書いてると思い、よく見たら
手書きした挨拶文と自署を印刷したものであった。
無駄を避けたいのなら潔く全て印刷で良いのに・・
と思ってしまった。
とにかくそのお店の案内ハガキは印刷などではなくて
全て手書きで書かれている。
そのせいかもしれないが、買っても買わなくても
フェアの時期にはお店に予定が合えば行くようにしている。
ずいぶん大昔、自分が金融機関に勤めていたころ、
窓口営業のようなことをしていたのであるが、定期的に
自分の顧客宛に誕生日ハガキを送っていたのを思いだした。
送っていたというか、送信するボタンを押していた、
というのが正確かもしれない。
月のはじめにその月に誕生日を迎える顧客のリストを抽出し、
まとめてメッセージを選択して送信ボタンを押すことで
自動的にハガキが送られる仕組みだったと思う。
ハガキにはキャンペーンの案内と「〇〇さま、お誕生日
おめでとうございます!またお目にかかれる日をお待ちして
おります。」的な当たり障りのないメッセージを選択するだけ
でまとめて数十件送信していた。
(確かいくつかのパターンが選択できたと記憶している)
とにかくDM件数のノルマの達成のために義務的に
カチカチ登録していた記憶がある。
正直なんの思い入れもなく行っているため、実際に窓口に
来ていただき「ハガキありがとう!」と言ってもらっても
逆に戸惑った記憶がある。
とにかく、世の中効率化、生産性の向上、DXの推進ばかり
が叫ばれているなかで、ものすごく非効率な手書きのハガキ
は驚くべき無駄な労力、と思われがちであるが、それでも
人が直接書いた文書にはパワーがあるようで(少なくとも自分には)
ついつい「行かなければ」と思ってしまうのは自分だけでは
ないのではないだろうか。
日々、デジタル優勢を感じる世の中だが、意外とアナログの力も
健在だと感じ地味に喜んでいるのである。