久しぶりに「めがね」を観た。
作品だ。
疲れた時にこれを観たくなる。
沖縄の何もない、ただ海のある風景。
そこにひっそりと佇むもたいまさこさんが春だけ開けるかき氷の
お店。
お店、というよりは小屋という風情ではあるが、そのかき氷のお店
はかき氷以外のものは置いていない。
値段すら無い。
食べた人は、野菜なり折り紙で作った動物なり、氷なり、、を代金
の代わりとしてもたいさんに渡して帰っていく。
そこには、何かを強制するようなものも、この世界の常識すら無く、
ただただそこの世界が、あるがままが存在している。
沖縄のどこまでもエメラルドグリーンの広がる海。
その海を前に食べるあずきのかき氷。
それを主人公が食べた瞬間、映画をこっちの世界でただ見ているだけ
の自分の中の何かも満たされた気がした。
何もないけれど、全てが満たされた世界。
そんな世界が自分を包んだ気がした。
本当に何度見ても不思議な映画だと思う。
なぜ、こんなに癒されて、心が満たされるのだろう。
観た後はしばらく長期旅行にでも出ていたような気分になる。
ただ、何もせずにその景色の中の一つになってたそがれる。
そんな贅沢な旅が、すごくしたくなる作品だ。