この前、実家に帰った時、懐かしい本を見つけた。
「星の王子さま」
確か、学生時代に付き合っていた人から誕生日プレゼントに
もらった本だ。
どうしてその本だったのかは詳しいことは忘れてしまったが
でも何となく捨てられずにとってあった。
ついつい手に取り、そのまま自宅まで持って帰ってしまった。
象を飲み込んでいるウワバミの絵やそれを帽子としか見る
ことのできない大人の話、
宇宙の中で星の数を数え続ける学者の話、プライドが高いけれど
本当は王子さまのことを大好きなバラの話・・・
全てが小さな話であるが、その一つ一つに心がキュッとなる要素が
詰まっていて、読むほどに心が切なくなるような、温かくなるような
そんな話だった。
「本当に大切なものは目に見えないんだよ」
このフレーズが何度も出てきたが、最近大切な人との別れを経験した
自分にはとても心にささる言葉であった。
星の王子さま、ラストを読んで少し衝撃的だった。
普通のハッピーエンドと思い込んでいたが、考えようによっては
予想以上に「遠く」へ旅立っていった可能性があることに、
今回初めて気が付いた。
もし王子さまのその後は読者の想像の自由に任されているのであれば
王子さまは無事彼の星に辿り着き、彼を待っている宇宙でただ一つの
バラの花に再開できる、という結末を迎えてほしいと思った。