suzume blog

Pythonを勉強中です。日々雑多なことを書いています。

三体Ⅲ

少し前にもここで三体について書いたのだが、その時は三体Ⅱで終わりだと

勘違いしていたのだが、本当は三体Ⅲで完結する。

先月末の発売日当日、会社帰りに本屋へ直行し三体Ⅲを上下で購入した。

たまたま同じ値段でサイン本も置いてあったので、迷わずサイン本を購入した。

ワクワクしながら読み進め、今の時点で上巻をもう少しで読み終わるところ

ではあるのだが、もちろん内容はとても面白い。

新しい視野を与えてくれて、自分までその世界にいてその現象を見ている

気にさせてくれる。

本当にすごい作品だと思う。

でも、ただの一要素としての意味しか持たないエピソードではあるのだが、

尊厳死の部分が心に残った。

尊厳死の導入部分としてのエピソード、登場人物の名前も忘れてしまったが

そのエピソードがやたら心にこびりついて離れない。

 

様々な思惑から尊厳死が社会的に認められ、実施されていくのであるが、

その人物は大病を患い治療費がかかり死にゆく運命であるも高額の延命

治療を行うことによって命を繋いでいる日々である。でも、このままだと

延命のために自分の子供達に経済的な迷惑がかかるだけだからと、

家族には相談せずに尊厳死を選ぶのである。

子供達への思いやりからの尊厳死の選択。

 

本当に些末なエピソードとして一瞬でてきたはずなのに、そして

恐らく話の中ではそこまで重要な意味を持たないエピソードなのに

どうしても心に残ってしまった。

三体では様々な社会問題、例えばエネルギー、食糧問題、宇宙開発、

尊厳死、その他もろもろ。

今の人類が抱える多くの問題が提起されている。

自分自身も現在家族が月二十数万円かかる施設にお世話になっている。

色々検討した結果、それが唯一の解決策だったためそのようなことに

なっているのであるが、それでもやはり月二十数万円の出費は大きい。

年単位で考えれば自分の年収とトントン、といったところだ。

そして、それをいつまで続けるかというとその家族の命が終わるまで。

家族で合意し決めたことではあるが、それでも思い出すたび憂鬱になる。

人生100年時代と言われている今、あと何年その出費を賄えるのであろう。

そんなことを考えつつ日々を過ごしているからこそ、尊厳死のエピソード

を読みつい色々考えてしまうのかもしれない。

人の命より大切なものはない。

尊厳死なんて悪魔の所業だ。

と言い切れる人は、本当に幸せな人なんだろうなと思う。