このコロナで大変な中でオリンピックを開催するか、世間でも
大きく意見が分かれている。
というよりも、自分の知ってる範囲内では、オリンピック開催に
賛成と声を大にして表明している人を見たことは無い。
賛成だとしても、みな何か後ろめたいようにこっそりと、「まあ、
自分は開催自体には賛成なんですがね・・・」
と奥歯に物が挟まったような、歯切れの悪い感じで言っている。
少し前まで、自分はオリンピック開催には大反対であった。
まずはその前に やるべきことがあるでしょ！との考えがあり、少しでも
賛成をにおわせるようなニュースなどを見ると、みな利権欲しさの非人道的
な人達である、と感じていた。
もちろん、今も基本反対であることには変わりはないのであるが、
それでも自分がそうだからと言って、発言力のある人に、ましてや
オリンピック選手に反対を強制することはやはり間違っていると思う。
池江選手のニュースを見て、なんて残酷なことをするのだろうと
なんとも悲しい気持ちになった。
自分は別に池江選手を取り立てて好きではないし、思い入れも全く無い
のだがそれでもやっぱりオリンピックの選手にそれを求めるのは残酷な
行為だと思う。
反対の人もいれば賛成の人もいていいのだ。
そして、当たり前だが、その中間の人も間違いなくいる。
色々な考え方があるし、立場も違う。
今まで生きてきた背景も違うし、人生の目的だって違う。
個人の思想を他人に押し付ける。
絶対やってはいけないことだと思う。
どうしても反対なら見なければいいのだ。
見たい人は見る、見たくなければ見なければいい。
税金が使われる、どうのこうのはあるものの、でもそれを決めた政治家
を選んだのは自分達なのだ。
どうしても、今の政治が許せなくて国の将来に展望が持てないのであれば、
選挙には絶対行く。
それが自分の思想を政治に反映させる一番の近道だと今は思う。
自分も、少し前までは池江選手の頑張っているニュースを見て
なんだか複雑な気持ちになっていたのは確かだ。
彼女が悪いわけではないのだが、なんだかオリンピックを正当化させる
免罪符的な位置づけにされているようで、彼女の背景や努力、様々な事が
彼女のためではなく、ただ政治的なことに利用されているようで、
とても嫌な印象を受けた。
今回のことは、池江選手は被害者だと心から思う。
ただ、加害者はオリンピック反対の表明をしてほしいとメッセージを
投げた人だけではなくて、彼女をオリンピック開催の免罪符的な存在
として利用している人々にも大きな責任があると思う。
みんながオリンピック反対を訴えている状況の中で、オリンピックの顔
とするのはあまりにも酷すぎる。
マスコミも、メッセージを投げた人々だけでなく、彼女のことを利用
している人々についても、もっと責任を問うべきだと思う。
大人の事情で難しいのだろうが、でもそう思う。
このコロナの一番の弊害は「人々の断絶を生む」ことだと思う。
今までは、そこそこの日常が当たり前にあって、少しくらい「？」と
思うことがっても、ひとまずなあなあで流せる余裕があった。
でも、今は人と人の距離がどんどん広がって全てがネットという空間での
やりとりになって、直接言えばもう少し違うニュアンスだと分かること
でも、ネットの単語だけだとニュアンスが伝わらないから、
それを受け取る側の感受性に全ての判断が任されてしまう。
どんどん人と人との断絶が進んでいるように思う。
ここでも何回か書いてきたが、みんなそれぞれ意見が違って当たり前。
違うからといって、排除したり攻撃したり、無視したり、戦争をしたり。
一つの絶対的な正解なんて無いと思う。
何かしら完全でないところがあるから人間なのだ。
完璧な人間がいるとすれば、それは人間ではなくて機械なのだと思う。
断絶はとても危険なものだと思う。
弱いものはもっと弱く、強い一部の人はもっと強くなってしまう。
そう感じるからこそ、早くこの状況が改善してほしいと思い、
自分に今できること＝おとなしくステイホームしていようと思う。
