平日はできるだけテレビは見ないで勉強などの自己啓発に
励もうと決めていたのに、ついつい夕食の後からテレビを
見てしまった。
テレビといってもBSのNHKの世界の街を歩くという番組なのだが、
あまり刺激も少なめでいつでも途中でテレビを消せる、と思って
いたのに、とても良い内容でついつい最後まで見てしまった。
今夜は中国の敦煌を特集していた。
自分は新聞やネット、が主な情報源なのだが、中国に対してかなり
偏見というか、批判的な気持ちを持っている。
だから旅行に行くとしても、ヨーロッパやアメリカ、タイやベトナム
などが良いと考えていた。
でも、今夜のテレビを見て自分のこの凝り固まっている固定概念が
一掃されたような気がする。
みんな、普通の人間だった。
相手がテレビだから、もしくは取材しているのが中国の人かもしれないが、
それでもみんな優しくて、子供は可愛くて、良い人ばかりだった。
もしかしたら日本人も外国の人にはそう感じられているかもしれないが、
とにかくどうしてあんな嫌悪権を感じていたのか、と思うくらい出てきた
人々からは素朴で優しい人間性を感じた。
一人のおばあちゃんなんかは初対面の取材者に対して「ごはん食べていき
なさい」なんて声をかけてくれていた。
ああ、自分も小さい頃はこんな人がいたな、と感じるような光景だった。
もちろん、番組で編集されているし悪い所をわざわざ取り上げないとは
思うけれど、それだとしても見ていて心が温かくなるような番組だった。
生のその地で暮らしている人間を見ていないから、共産党のイメージや
国としての強い発言やニュースになるような事件や・・・そんな情報しか
自分の中のデータに蓄積されていないから、かなりの拒絶反応があった
のであるが、生の人間の情報を知ると、たぶん見方がだいぶ変わるような
気がする。
確かにこんな事件は起きているけれど、事件=その国民性、ということ
ではなくてみんながみんな同じ意見の人ではないんだ、そんな当たり前の
ことを思い出させてくれる番組だった。