suzume blog

Pythonを勉強中です。日々雑多なことを書いています。

くしゃみ

通勤電車の中で。

少しガタイのいいごついオジサンサラリーマンが乗ってきた。

たまたま隅の席が空き、そこにドカッと腰を降ろした。

何の仕事をしているのか良く分からないが、とにかく大きい。

気のせいかスーツが少し小さく見える。

一応マスクはしているのであるが、顔が大きいのかマスクが

普通サイズで顔の大きさに合っていないのか、顔のかなりの部分

はみ出している。

そして、そのおじさん、何か不満げに定期的に咳払いをする。

正直気になる。

こんな大きなオジサンにもし文句でもつけられたら、絶対に

言い返す自信がない。

たぶん周りの人もそう思っている事であろう。

彼の周囲の人は狸寝入りなのか、本当に眠いのか分からないが

みな下を向いている。

そこへ駅に着き、そのオジサン側の扉が開いた。

その瞬間、

「クッシュン!」

と少し高めの可愛いくしゃみが聞こえたのだ。

なんとそのオジサンから。

一瞬、自分の耳を疑ったのだが、ずっと様子をうかがっていた

のだから間違えようがない。

そのオジサンはうまく出せずにいたクシャミが出た安心感か

可愛いクシャミをしてしまった照れ隠しなのか、

マスクの形を直すような仕草をし、そしてそのまま眠り始めた

のであった。