自分は小説「三体」の大ファンだ。
大ファンと言っても、全てハードカバーで購入し1回読んだ
きりではあるが、それでもこの本だけは捨てられない。
老後、時間が空いたらまたゆっくり読み直したいと思える本なのだ。
まあ老後の自分はもっと別のものに興味があるかもしれないが、
とにかくそう思えて古本屋に売る気になれない本であるのは
間違いない。
そして、その作者の本が新たに出版された。
新たにといっても中国の作者なので色々タイムラグはあるかも
しれないが、とにかく日本では割と最近の事だと思う。
それを新聞の広告で知った時、久しぶりにテンションが上がった
のを感じた。「流浪地球」と「老神介護」。どちらも面白そうなので
あるがまずは「流浪地球」を読むことにした。
ハードカバーは持ち歩きできないし、値段も高いしハードルが高い
のは間違いないのであるが、自分の中では即購入の一択であった。
そしてその本を手に入れた今、毎晩寝る前に一話ずつ読んでいるが、
(一気に読んでしまうのがもったい無いので)やはり面白い。
「三体」と違って「流浪地球」は短編小説が入っているので
それも一話ずつ読むのにちょうど良い。
「三体」に慣れた自分としては、すごく面白い題材が短い話
の中に凝縮されていて、なんだかもったい無い?という気もするので
あるが、あえて長編小説に引き伸ばさない作者の潔さも感じて、
とにかく密度の濃い短編集である。
そんな視点があるのか!と驚かされ、そういう発想を持てる作者を
羨ましくも感じる、という味わい方もできる小説である。
文化や芸術、興味、そういう純粋な気持ちは人種や性別、国の違いを
超えて人々を結び付けると思う。そう思える自分はとても幸せな中で
生きているのだと思う。それを自覚し、感謝した上で、今自分が出来る
事を考えたいと思う。