suzume blog

Pythonを勉強中です。日々雑多なことを書いています。

シャドーワーク

少し前の新聞だが今朝まとめて読んでいたら

とても興味深い記事が載っていた。

要約すると、

我々の生産性が下がっているのは「シャドーワーク」が増えたからである、

という内容だった。

(もしかしたら筆者はそういう意図で書いたのではないかも

しれないが、自分はそういう風に読み取れた)

 

どういうことかというと、今まではカフェなどお店には店員さんがいて

席につけばおしぼりやお水を持ってきて注文を聞いてくれる。

でも、今はすべて自分のスマホでアプリから注文しなければ

永遠に誰も何もしてくれないのだ。

確かに自分も先日丸の内の近代的なビルのカフェに入ったが、

お店には店員さんが見かけられず、注文をするために

メニュー表からQRコードを読み取り、自分で注文の操作を

しなければならずかなり時間がかかってしまった。

いちおう注文すればどこからともなく店員さんが出てきて対応

してくれたが、お会計は現金は不可でスマホでのキャッシュレス

決済のみ受け付ける、という方式らしくその後店員さんが

対応する事はなくお店を出たのであった。

 

確かに人との接触を避けなければ感染リスクが高いコロナ

が流行っている時期ならやむなしなのかもしれないが、

それでも少しやりすぎではないかと思った。

もしこれでスマホなど持っていない人はどうすれば良い

のだろうか。

そういう人はお店に来なくて良い、というメッセージにも

取れるような気がした。

ただ、一つ気になったのが、全く店員さんがいなかったものの

それでも丸の内という場所柄のせいなのか、飲食代はきちんと

丸の内価格であったという事だ。

正直、飲食店で飲食する時に多少高めとなるのは、対応する

店員さんのサービス費用も含まれていると考えていたが、

サービスされていない場合でもそこそこ取られるのは少し

納得がいかなかった。(お水等はセルフサービスだった)

 

そういえば、冒頭の新聞の記事でも(外国での話であるが)、

ルフレジで会計をした際に最後にチップを払うかどうかの

選択肢が出てきて戸惑ったという話が載っていた。

ルフレジで会計を済ませたのに、何に?誰に?対しての

チップなのだろう。。

でも笑い話でも何でもなく、現実に起きた話だそうだ。

 

前置きが長くなったが、とにかく従来は人が対応してくれていた

事を今は全て自分で行い、それでも従来と同じ費用を要求される

時代なのである。

人がいない分安くなると思いきや、そんなことはない。

お金の流れは不明なのであるが、店員さんを減らしサービス料を

なくして、その分アプリの会社にでもお金が流れていくのだろうか・・

決局損するのは自分でやる事が増えてしまった消費者側であると

考えるのは間違っていないと思う。

 

冒頭の記事の著者も、今はそれらの「(IT化によって今までは値段の

中に入っていたサービスが無くなり)全て自分でしなければならなく

なった仕事(シャドーワーク)」に対応するために生産性が下がった

と警鐘を鳴らしているのである。

この記事を読むまでは、自分も「今はそういう時代なのだから」

と諦めというか思考停止の状態でこの変化を受け止めていたが、

改めて考えてみるとなんだか理不尽な気持ちで一杯になった。

IT化のせいで自分でやる事は増え、その一方で物価はどんどん上がり、

それでも給料だけは上がらない。。。

技術の進歩は大切だけれど、それ以上に「人間」も大切にすべきだ

と考えさせられた新聞の記事であった。