最近、気になるおじさんがいる。
といっても全く赤の他人で恐らく永遠にかかわる事が無い人。
毎日の通勤の時にすれ違う程度の本当に記憶の片隅にすら
いないハズの人。。
ハズ、というのがさすがに記憶力が悪い自分ですら覚えてしまう
曲者。
自分は大江戸線という果てしなく地下に潜っていくエスカレーター
を使う電車で毎朝通勤しているのであるが、逆方向に乗っている
おじさんがとにかくすごいのである。
「負け」「負け」「負け」「負け」「勝ち」「負け」・・
とひたすら自分と反対方向のエスカレーターに乗っている人
をみて瞬時に判定を下していくのである。
最初は何かわけが分からないことを叫んでいる人かと思った。
そんな大声で人々をジャッジメントしていくのである。
たぶんおかしい人なんだろう、
と思ってはいるものの、おじさんの審判が下る自分の番?
が来た時には無駄に気になったものである。
自分の前3人くらいは全て「負け」とのこと。
特に「勝」っていると言えるような根拠は無いが、
ひとまず仕事もあるし健康なので「負け」でもないような・・
なんて思いつつもおじさんの審判を待つ。
そして、いざ審判の時。
「負け」
であった。
なぜ?と思ったが、「勝ち」を主張できる根拠もない。
でも自分の何を見て「負け」と判断したのか若干気になる。
そんな赤の他人の事など気にしなくていいのは?
と思うかもしれない。
でも、きっとおじさんに「負け」と瞬時に判定された
エスカレーターに乗っていた人たちは皆モヤモヤしたものを
抱えたのではないかと思う。